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医師が教える薄毛やAGAの治療・対策メディア

【医師が教える】論文を解説! 薄毛・ハゲが遺伝のせいだけではない決定的根拠とは

薄毛治療

AGA(男性型脱毛症)による薄毛は「遺伝」も主な原因の一つだといわれてきました。しかしある研究で、遺伝以外にも何らかの原因が発症に関与していることがわかったのです。

今回のAGAタイムスでは、日本で行われた双子11組に対する薄毛治療の研究論文をわかりやすく解説。同じ遺伝子を持つ双子の毛量を比較したからこそ見えてきた“遺伝子と薄毛の関係”についてを詳しくお伝えします。

論文を読む前に知っておきたいこと

◯“AGAの原因の一つに遺伝子が関係している”という研究結果はすでに存在する

AGAは単一の要因により発症する病気ではなく、いくつかの要因が絡み合って発症する疾患です。その要因の一つに遺伝子が関係しているということは、すでに過去の研究によって明らかにされています。

AGAに関与する遺伝子は、とくに「アンドロゲンレセプター(男性ホルモン受容体)の量」に関係していると示唆されています。

◯アンドロゲンレセプターの量と遺伝子

人体では、さまざまな部位からたくさんの種類のホルモンが分泌されていますが、髪の毛に関わる男性ホルモン「テストステロン」やAGAの原因のひとつといわれる悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」をキャッチする場所が、アンドロゲンレセプターです。アンドロゲンレセプターは、髪の毛の生成に必要な栄養素や酸素を送る「毛乳頭細胞」にも存在しています。

そのアンドロゲンレセプターの量には“アンドロゲンレセプターの遺伝子が影響している”といわれており、詳しく説明すると、遺伝子情報の中に入っている「C」「G」「A」「T」といったDNA塩基(※)の配列が関係すると考えられています。

※C=シトシン、G=グアニン、A=アデニン、T=チミン

DNAが持つ遺伝情報は塩基配列の形で保たれていますが、とくに「CAG」や「GGC」の配列が繰り返す「CAGリピート数」や「GGCリピート数」が少ない人の場合は、アンドロゲンレセプターの量が多くなります。アンドロゲンレセプターの量が増えれば必然的にホルモン感受性が高くなるため、AGAの発症に関係するのではないかと考えられているのです。

しかし、AGAの遺伝性はあくまで“可能性を示すもの”であり、遺伝子検査などを行うことで必ずしもAGAになるかどうかを判断できるわけではありません。さらに、先にも説明した通り、AGAは単一の要因により発症する病気ではなく、いくつかの要因が絡み合って発症する疾患です。

果たして、薄毛の主な原因とされるAGAの発症には、遺伝子以外にどのような原因が考えられるのでしょうか。次項から、論文を読み解いていきましょう。

論文を読み解く

今回解説する内容は、2013年にEuropean Journal of Dermatology誌に掲載されたFuture Medical Laboratory(F.M.L.)による遺伝子と薄毛に関係する臨床研究についてです。

【臨床研究の概要】

対象:
日本人男性の一卵性双生児11組(計22名)
研究参加時に20-40歳のAGA患者で、「改訂基準版ハミルトン・ノーウッド分類」においてⅡvertex型ーⅤ型の方(研究参加前にミノキシジルまたはフィナステリドを使用した患者は除外)
実施機関:
NPO法人 Future Medical Laboratoryの倫理委員会によって承認された4つの外来診療所
実施期間:
2005年〜2011年
実施方法:
毛量の差異を正確に示すために標準化した臨床写真に加え、「トリコスコピー法(※)」を用いた毛髪数、毛髪厚を測定

※ダーモスコープという機器を用いて脱毛している頭皮の状態や毛孔、毛幹などを詳細に観察する方法のこと。AGAでは他の髪の毛と比較して明らかに細い髪の毛の割合が多く、髪の毛の直径が不均一になるとされる。さらに毛孔周囲には色素沈着が見られたり、少数の黄色点が見られることもあるといわれている。

  • この研究では、はじめに経験のある皮膚科医と形成外科医が双子の毛量の差異を「明らかに異なる」「中程度に異なる」「わずかに異なる」「差異なし」の4段階で評価する。
  • 1組の双子のうち9組が1年間、同じ量のミノキシジルとフィナステリドの治療薬を継続的に服用し、双子の毛量の差を再評価した。
  • さらに喫煙、アルコール、抑うつの自己評価尺度(SDS)、脱毛の始まった年齢などの情報を集め、毛量の違いとともに評価する。
  • また2組の双子に対しては、アンドロゲンレセプター遺伝子のCAG及びGGCのリピート数を確認。

研究で明らかになったこと

◯臨床研究の結果

  • 11組の双子のうち5組ははじめから毛量に明らかな違い、もしくは中等度の違いがありました。そして、ミノキシジルとフィナステリドによる内服治療を1年間継続した後でも、この5組のうちの4組に中程度の差異が認められました。
  • 発症時期が早い人ほど毛量が減っていることがわかりました。そのため、毛量の維持には発症時期が重要であると考えられます。
  • 毛量に関係なく、双子のペア同士で抑うつの自己評価尺度(SDS)は、同じ値を示しました。
  • ※SDSが同一であるということは、遺伝的に近いまたは同じであることを示す。

  • 11組のうち2組に同一のCAG、GGCリピート数が確認されましたが、双子のため同じ発現量でした。しかし、毛量は11組のうち5組で差がありました。

この研究による「全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児であっても毛量には差が出る」という結果から、男性型脱毛症の原因は遺伝子だけではなく、遺伝子にプラスして“何らかの要因”が関係しているということが分かりました。また毛量を将来的に維持していくためには、AGAの発症を遅らせることが重要であるということも示唆されています。

遺伝子以外の要因と薄毛の関係性など、当時まで知られていなかった事実がこの研究で明らかになりました。しかし、こちらの論文を執筆制作した団体「F.M.L」による論文解説では「双子の間に毛量の差がある場合と飲酒歴、喫煙歴、既往症の間に何かの関係があるかどうかを調べましたが、特に関連性は確認できませんでした」との記載もあり、今回の研究でAGAのすべての原因や真相が明らかになったわけではありません。遺伝以外の要因として具体的にどのようなものがAGAの症状に影響しているのかは、今後も研究が必要な課題でしょう。

AGAによる薄毛・ハゲは治療で改善できる

AGAと遺伝子の関係については今後のさらなる研究に期待が持てます。しかし、先に説明した通り、遺伝子だけがAGAの発症を決定づける訳ではありません。とはいえ予防意識の向上や早期の治療、治療法の選択などにおいて役立つ情報でもあるので、遺伝子検査が必要と感じる場合は一度薄毛治療専門のクリニックなどで相談してみてください。

今回紹介した実験結果からもわかるように、毛量を維持するために今できることは少しでも早いうちにAGAの進行を遅らせることです。そのため、毛量の減少を自覚した場合には早めに治療を行うことが重要になります。

AGAヘアクリニックは、AGAやFAGAなどによる薄毛治療専門の病院です。豊富な薄毛の知識と多くの症例をもとに薄毛の原因を導き出し、患者様お一人おひとりの症状に合った最善の治療を提案しています。全室個室の診察室を完備しており、完全予約制なので他の患者様と顔を合わせることがほとんどないほか、一般的な皮膚科よりもプライバシーに配慮された院内であるため、薄毛治療が初めての方でも治療が始めやすい環境です。診察や相談は初診に限らず何度でも無料で行なっておりますので、薄毛が少しでも気になる方は、ぜひお気軽にご相談にいらしてください。