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【医師コメントつき】睡眠不足が薄毛を招く? 睡眠と育毛の関係性

生活ケア

睡眠は人間にとって欠かすことのできない生理機能のひとつです。睡眠中にはさまざまなホルモンが分泌され、体の成長や日中に受けたダメージの補修を促すといわれており、睡眠不足はこれらの機能に影響を与える可能性があります。

また当然髪の毛も体の一部であるため、不十分な睡眠が髪の毛の成長にも悪影響を及ぼす恐れがあり、場合によっては抜け毛や薄毛の原因につながることが懸念されます。今回のAGAタイムスでは睡眠のメカニズムと薄毛への影響、また睡眠の質を上げるための対策についても紹介します。

睡眠の種類とメカニズム

睡眠には脳を休めたり成長ホルモンを分泌したりする「ノンレム睡眠」と、体を休めたり記憶の整理を行ったりする「レム睡眠」がありますが、とりわけノンレム睡眠はホルモン分泌により人体の正常な代謝や細胞修復を行うために重要です。

睡眠は4段階に分かれており、4段階目が最も深い眠りのレベルになりますが、成長ホルモンは睡眠の3段階目から4段階目のタイミングに当たるノンレム睡眠中に分泌が活発になるとされています。このタイミングで成長ホルモンの1日の分泌量のうち男性は約60~70%、女性は約50%が分泌されるといわれています。

深いノンレム睡眠は入眠~3時間の間に多く出現するといわれるため、質の良い睡眠を得るためには最低でも3時間以上眠る必要があるとも考えられますが、それはあくまで最低限の場合です。個人差はありますが、一般的にはおおよそ6~8時間程度の睡眠が理想的な睡眠時間とされているため、その基準を目安に睡眠時間を確保するのがベストでしょう。

睡眠と薄毛の関係

前述の通り睡眠時には成長ホルモンが分泌されますが、主にこの成長ホルモンが薄毛に関係していると考えられます。

成長ホルモンとは、その名の通り人が成長するために欠かせないホルモンです。思春期においては骨や筋肉の発達を促し体を成長させますが、タンパク質合成や細胞増殖、代謝の促進などの役割も持っており、成長期後は細胞などの修復を促して日中に受けた体のダメージをケアすると考えられています。

人間の体はノンレム睡眠による熟睡状態を利用して、定期的にこのような心身のメンテナンスや成長を促しているといえるため、睡眠時間が短かったり質の悪い睡眠が続いてしまったりすると成長ホルモンの分泌量が極端に少なくなる恐れがあります。成長ホルモンの分泌が低下することで、健康な体を維持するためのさまざまな機能の働きが阻害され、そのような影響が頭皮環境の悪化や薄毛の助長に関与する可能性も十分に考えられるのです。

成長ホルモンは思春期後期の分泌量がもっとも多く、それ以降は年齢を重ねるとともに分泌量が低下するといわれています。思春期前の値を100%とすると、思春期後期は200%、30~40代では50%、そして60代では30%程度に低下していくといわれています。高齢になると怪我や病気が治りにくくなったり、肌にシワやシミができたりしますが、これも成長ホルモンの分泌量が低下することと関係があると考えられています。

睡眠不足によるさまざまな悪影響

成長ホルモンの分泌量の低下以外にも、睡眠不足による体への悪影響はたくさん考えられます。生活習慣病のリスク上昇、食欲増加により肥満になりやすくなる、免疫力の低下、集中力の欠如など、マイナス要素を挙げればきりがありません。

また睡眠不足は自律神経のバランスを乱し、血行不良を招く恐れもあります。血流が悪くなることで、髪の毛の成長に不可欠な栄養素であるたんぱく質やビタミン、亜鉛などの供給量が減り、正常な育毛を妨げる可能性があります。さらには、先に説明したような成長ホルモンの分泌に悪影響を及ぼすことも考えられるでしょう。

このように睡眠不足が体に及ぼす影響は多岐にわたります。最近熟睡できている気がしないと感じている方は、すぐにでも対策を取り入れてみてください。

良質な睡眠をとるための対策

多忙な毎日を送る方の多い現代社会においては理想的な睡眠時間の確保が困難な場合が多いかもしれませんが、出来るかぎりしっかりと睡眠時間を確保し、以下のような方法を実践して睡眠の質の改善に取り組みましょう。

〇睡眠不足対策①:体をあたためる

体温はホルモンの分泌はもちろん、体のさまざまな生理機能が円滑に活動できているかを推し測るための重要な指標です。体温が36℃未満の「低体温」になってしまうと冷えの症状が出たり、消化不良や血行不良、女性ホルモンの分泌を司る機能の低下といった体の不調が起こりやすくなります。

また体温は良質な睡眠とも密接な関係性があり、人体は体温が下がっていく過程で眠気が増加します。就寝する2時間ほど前にすこし体温を上げておくことで眠りにつく頃には体温が下がり、自然な眠りのリズムを導きやすくなるのです。入浴の際は、ぬるめのお湯にゆっくり入ること。また、就寝前にかるくあたためた牛乳を飲むなどの方法もおすすめです。

就寝前だけでなく、ストレッチやヨガといった軽い運動を取り入れることも体をあたためるための良い習慣になるでしょう。ただし、体をあたためすぎて熱くなるとかえって体が活動的になってしまうため、就寝前の過度な体温上昇には注意してください。

〇睡眠不足対策②:寝る前は嗜好品を控える

就寝前はアルコールやタバコ、コーヒーなどの嗜好品を避けるようにしてください。アルコールは中枢神経抑制作用を持つため少量の飲酒は眠りを促すこともありますが、代謝や排せつが早いため睡眠後半では覚醒しやすくなり、早朝に目覚めてしまうことが多くなります。また連日続けて飲酒をすることにより、眠りの質も悪くなりやすくなるので注意が必要です。

そしてタバコに含まれるニコチンや、コーヒーなどに含まれるカフェインは中枢神経を刺激し脳を覚醒させる効果があり寝つきが悪くなるため、どちらも就寝の3時間前から、敏感な方は5~6時間前から控えたほうがよいでしょう。とくにタバコは睡眠に限らず、体にも悪影響を及ぼします。肺がんをはじめとする多くのがん、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などのリスクが高まるため、この機会に禁煙を検討してみてもよいかもしれません。

〇睡眠不足対策③:食事の時間に気をつける

食事をとる時間も少なからず睡眠に影響を及ぼす可能性があります。食事をした後は副交感神経が優位になることや、食後にインスリンが分泌され血糖値が下がることなどから眠気を起こしやすくなるといわれており、満腹の状態で眠ると気持ちがよいのはこのような影響によるものと考えられます。

しかし、満腹状態で眠ることにはマイナス面も。満腹のままだと、眠りについても胃腸が消化のために活発に動いている状態なので熟睡しづらくなり、寝つきはよくても睡眠の質が悪くなってしまいます。このような状態を避けるためにも、夕食はできるだけ就寝の2時間前までには済ませるよう心がけましょう。どうしても夕食の時間が遅くなってしまう場合は、パンやごはん、うどん、チーズ、豆腐のように消化に良いものを選ぶなど工夫が必要です。

〇睡眠不足対策④:睡眠前は光を避ける

人間には体内時計があり、毎朝日光を浴びることで体内時計は一度リセットされて活動状態に入ります。この時にホルモンの一種である「メラトニン」の分泌が止まるのですが、このメラトニンと睡眠には大きな関係があります。

メラトニン受容体は深部体温が低下していく際に入眠を促す働きがあるため、それによって自然と体が睡眠モードになります。つまり睡眠は、メラトニンの分泌によってコントロールされているともいえるでしょう。メラトニンの分泌が正常であれば、質の高い睡眠を得られやすくなると考えられるのです。

しかし、メラトニンは強い光によって分泌が抑制されるという特性があるため、夜遅くまで部屋を明るくしておくと、眠気が遠のいてしまう可能性があります。そのため、就寝前はなるべく早いうちに部屋を暗くすることで緩やかにメラトニンの分泌を促せるでしょう。また“寝室の照明をメラトニン分泌に影響しにくい暖色系のものに変える”、“就寝直前はPCやスマートフォンなどブルーライトを発する機器を避ける”なども効果的です。

〇睡眠不足対策⑤:適度な運動で睡眠を促す

適度な運動は睡眠の質を向上させるといわれています。体に負担がかかりすぎない程度の運動を行うことで精神的緊張を解きほぐし、昼夜のメリハリがつき夜間の睡眠を促進。深い眠りや満足感の高い眠りにつながりやすくなります。

運動を取り入れる時間ですが、就寝までの時間があまりに空いていると効果が薄れてしまい、かといって就寝直前ではかえって刺激になり寝つきが悪くなる可能性も。したがって就寝の2時間程前までの時間帯に軽い全身運動をするのがおすすめです。

また普段運動をしていない人が急に過剰な運動をすると、疲れや体の痛み、自律神経の興奮などが夜まで残ってしまい、むしろ睡眠が阻害されてしまうことも分かっています。ウォーキングや軽いランニング、水泳、ストレッチ、ヨガなどの軽い運動を約30分ほど行うのがよいでしょう。無理なく続けられる方法を生活に組み込んで規則的に行うと睡眠の質の向上に効果的です。

快適な睡眠で薄毛のリスクを和らげる

ここまでご紹介したように、睡眠は体を休めるだけでなく人間が心身を正常に保つために必要な生理機能です。極端な睡眠時間の欠如や質の悪い睡眠が続くと、そのダメージはいずれ心身のどこかに疾患や体調不良となってあらわれる可能性があります。それが抜け毛や薄毛といった症状につながる可能性も否定はできません。学業や仕事が忙しいという理由で睡眠不足を見過ごさず、今回ご紹介した睡眠のポイントを参考に対策を立ててみてはいかがでしょうか。

また睡眠の問題だけでなく、すでにAGA(男性型脱毛症)よる抜け毛や薄毛の可能性があるという方は、いち早く適切なケアを行うためにも一度クリニックで今の状態を診断してもらことをおすすめいたします。

AGAヘアクリニックは、薄毛治療専門の病院です。豊富な薄毛の知識と多くの症例をもとに薄毛の原因を導き出し、患者様お一人おひとりの症状に合った最善の治療法を提案しています。全室個室の診察室を完備しており、完全予約制なので他の患者様と顔を合わせることはほとんどありません。一般的な皮膚科よりもプライバシーに配慮された院内なので、薄毛治療が初めての方でも治療が始めやすい環境です。診察や相談は初診に限らず何度でも無料で行なっておりますので、薄毛が少しでも気になる方は、ぜひお気軽にご相談にいらしてください。

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