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【医師コメントつき】ヘアサイクルの乱れが薄毛を招く?そのメカニズムと対処法

薄毛治療

私たちの髪の毛は毎日のように抜け落ち、また新しい髪の毛が生えてくる「ヘアサイクル」を繰り返しています。日ごろ、髪の毛が健康に生えてくるのはヘアサイクルが円滑に循環しているためです。ヘアサイクルの乱れは薄毛を招くとされており、ヘアサイクルが乱れる原因にはAGA(男性型脱毛症)をはじめ、いくつかの要因が挙げられます。今回のAGAタイムスでは、ヘアサイクルの基礎知識とヘアサイクルが乱れる原因、その対策についてご紹介いたします。

ヘアサイクルについて

ヘアサイクルと薄毛の関係をきちんと知るために、ヘアサイクルがどのようなものであるのか知っておくことが大切です。まずはじめに、ヘアサイクルの基礎知識について確認していきましょう。

1. ヘアサイクルとは

髪の毛が生えてから成長し、抜け落ち、再び生えてくるまでの周期のことをヘアサイクル(毛周期)といいます。ヘアサイクルは、髪の毛の伸長が活発な「成長期」、髪の毛の伸長が止まり毛乳頭が退縮していく「退行期」、髪の毛を生成する毛母細胞の活動が停止する「休止期」の3つの段階を一つのサイクルとして繰り返しています。また、ヘアサイクルのリズムは毛根一つひとつで異なるため、頭皮には一定数の毛量が保たれているのです。

髪の毛はヘアサイクルが繰り返される限り新しく生え変わります。しかし、ヘアサイクルには「寿命」があり、生涯で繰り返される回数には上限があるため、最後の周期を迎えると髪の毛は二度と生えてこなくなります。

2. ヘアサイクルのメカニズム

下記のように、ヘアサイクルが一周するためには年単位の長い期間を要します。その長い期間中にある「成長期」「退行期」「休止期」において、髪の毛はそれぞれどのような状態にあるのでしょうか。ヘアサイクルのメカニズムについて詳しくみていきましょう。

1. 「成長期」(期間:2~6年)
3つある段階のうち、大半を占めるのが成長期です。成長期は、髪の毛を作る元となる「毛母細胞」が活発に細胞分裂を繰り返すことで髪の毛が伸び続ける期間です。
2. 「退行期」(期間:2週間)
それまで活発におこなわれていた細胞分裂がストップします。この退行期に徐々に毛乳頭が縮小し、休止期を迎える準備が進みます。
3. 「休止期」(期間:3~4カ月)
髪の毛の活動が完全に停止した状態で、次の成長期に向けて準備を行う期間です。頭髪全体の約10%が休止期にあるといわれており、この期間は新たな髪が生まれることも成長することもありません。この成長が止まった髪の毛は、同じ毛根で新たな毛母細胞から伸長した新しい髪の毛に押し出されて抜け落ちます。

性別や体質によってもヘアサイクルの期間は異なりますが、前述の通り一般的に一度のヘアサイクルは2〜6年とされています。また、健康な状態であれば一生のうちに繰り返すヘアサイクルは約15回程度であり、生涯のうちにすべての髪の毛が抜け落ちる可能性は極めて低いとされています。

しかし、何らかの原因でヘアサイクルが乱れると成長期が短縮され、太く長い髪の毛が生えてくる前に退行期を迎えるようになります。すると、細く短い髪の毛が生えているようになり、薄毛につながってしまいます。このことから、薄毛を防ぐためには正常なヘアサイクルを保つことが重要です。

ヘアサイクルが乱れる原因

次からは、ヘアサイクルが乱れる原因について説明します。主な原因としてあげられるのは「AGA(男性型脱毛症)」「生活習慣」「加齢」「季節」の4つです。

1. AGA(男性型脱毛症)

AGAとは男性ホルモンの影響で薄毛になってしまう疾患です。男性ホルモンの一種である「テストステロン」が「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素と結合することで「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変化しヘアサイクルの成長期を狂わせ、短縮させます。先述したように、成長期が短縮すると髪の毛が太く長く育つ前に退行期を迎えるため、細く柔らかい髪の毛が増えて薄毛へと繋がってしまいます。

成長期の短縮は結果的に一度のヘアサイクルを短縮させ、これによって通常よりも早く生涯繰り返すヘアサイクルの上限に達してしまいます。ヘアサイクルの寿命を迎えた毛根からは、新しい髪の毛が生えてくることはありません。そのため、AGAを改善するためにはヘアサイクルが残っているうちに早期治療を行うことが重要になります。

2. 生活習慣

コンビニ食品やインスタント食品などが中心の食事は、髪の毛を生成するために必要な栄養素が不足する可能性があります。栄養が不足すれば細胞が活動するためのエネルギーも不足し、必然的に髪の毛を健やかな成長が滞るため、ヘアサイクルが乱れる一因になります。また、過剰なダイエットも同様です。

さらに、運動不足やストレスなどによる血行不良や過度な飲酒、喫煙なども頭皮への栄養供給が滞る可能性があることからヘアサイクルが乱れる原因となりえると考えられます。

3. 加齢

年齢を重ねるとともに見た目が老化するのと同じように、体の内側の細胞も老化により機能が低下していきます。髪の毛は、「毛母細胞」が増殖を繰り返すことで生成されます。また、毛母細胞を産み出すのは「毛包幹細胞」と呼ばれる幹細胞です。しかし、年齢を重ねるとともに毛包幹細胞の働きが落ちると髪の毛を生成する細胞を産み出すことができず、結果的に髪の毛が作られなくなります。

4. 季節

ヘアサイクルには季節性があるといわれており、紫外線量が増える夏にかけてそのダメージを軽減するために毛量が増えるといわれています。秋になると、増加した毛髪が抜けやすくなると考えられており、抜け毛が増える傾向にあります。これについては、はっきりとした研究結果はまだ存在しませんが、ヘアサイクルの乱れと季節の間には何らかの関係性が伺えます。

薄毛の予防および治療において毛包幹細胞が残っていることが極めて重要です。毛包幹細胞は紫外線によるダメージや、血行不良、栄養不足にも影響を受けることが考えられます。現時点で毛包幹細胞を増やしたり移植することはできないため、毛包幹細胞が枯渇してしまうと髪の毛を生やすことができません。そのため日々の生活における頭皮ケアは重要といえます。

ヘアサイクルを元に戻すためには

乱れたヘアサイクルを元に戻すためには、それぞれの原因にあった対処法を取り入れる必要があります。ヘアサイクルが乱れる原因がAGAである場合、AGA治療専門クリニックで治療を受けることが確実な方法です。しかし生活習慣などを自身で見直すことも、ヘアサイクルの乱れを改善するために必要な対処法といえるでしょう。

ヘアサイクルを元に戻すための対処法として「AGA治療」や食事、睡眠、運動などの「生活習慣の見直し」についてみていきます。

1. AGA治療

AGAの治療法として国内で最も推進されているのは、内服薬や外用薬による投薬治療です。治療薬には、「フィナステリド」「デュタステリド 」「ミノキシジル」があります。これら3つの治療薬の効果や副作用などについてみていきましょう。

■ フィナステリド
フィナステリドは、AGAの進行を抑制しヘアサイクルを正常に戻す効果が期待できます。効果が発現するまでには個人差があり、3カ月の連続投与で効果が発現する場合もあるものの、通常は6カ月の連続投与を要します。
フィナステリドには服用にあたって「性欲減退」「勃起機能障害(ED)」「肝臓機能障害」などの副作用がありますが、どれも発生率は低く危険性も低いと考えられます。しかし、副作用が現れる可能性はゼロではないので、服用後に異常を感じた場合は医師への相談が必要です。
■ デュタステリド
デュタステリドはフィナステリドと同様の効果を持つ治療薬ですが、半年の効果判定ではフィナステリドより発毛効果が高いことがわかっています。フィナステリド同様、服用を開始してから治療効果がみられるまでには、通常3〜6カ月間の治療が必要です。
デュタステリドにおいても、フィナステリド同様に「性欲減退」「勃起機能障害(ED)」などの男性機能低下、肝機能障害などの副作用が挙げられていますが、こちらも危険性は低いと考えられます。
■ ミノキシジル
元々、血管拡張作用を持つことから降圧剤として開発されたミノキシジルですが、その副作用として発毛効果がみられたことからAGA治療薬として改良され、使用されるようになりました。
ミノキシジルは、血行を促進すると同時に髪の毛を生成する毛母細胞に働きかけヘアサイクルを延長する作用をもちます。ミノキシジルには、内服薬と外用薬の2種類があり、内服薬の方が発毛効果が高いと考えられています。外用薬に関しては医師の処方はもちろん、市販でも手に入りますが、内服薬は医師の診断のもとのみ処方することが可能です。
副作用としては、頭痛やめまい、動悸などが挙げられます。また初期脱毛がみられたり、外用薬による皮膚トラブルが発症したりする場合がありますが、いずれも発症率は高くありません。

先述した通り、AGAは進行性の脱毛症であるためヘアサイクルが残っている早期段階で治療を行うほど効果が出やすいとされています。AGAの可能性が疑われる場合は早めに専門クリニックを受診されることをおすすめします。

2. 生活習慣の見直し

日々の食事、睡眠、運動などの生活習慣を見直し、乱れたヘアサイクルの改善を試みましょう。逆にいえば生活習慣が乱れていると、どれだけ良い治療を行っていても効果を十分に発揮できない可能性も考えられます。普段の生活の中で見直すことができる習慣についてみていきましょう。

■ 食生活
偏った栄養バランスの食事や暴飲暴食はやめましょう。ヘアサイクルが乱れる原因でも説明したように、髪の毛の成長に必要な栄養素が不足すると育毛に悪影響を及ぼす可能性があります。また、脂質の過剰摂取は頭皮の皮脂分泌量を増やし、脂漏性皮膚炎などのリスクを高め頭皮環境の悪化につながりかねません。タンパク質、ビタミン類、ミネラル類などを取り入れながら、栄養バランスの整った食事を心がけましょう。
■ 睡眠
睡眠においてまず改善したいのが、就床時刻と起床時刻を可能な限り一定とし規則的な睡眠習慣を確立することです。生活環境や労働環境によって規則的な睡眠習慣を確立することは難しい方も、就床時刻は遅れても起床時刻は変化させないよう心がけましょう。必要以上に長い仮眠は夜間睡眠に悪影響を及ぼす恐れがあります。仮眠をとる場合は30分程度が好ましいといえます。また、就床直前のカフェインや多量のアルコールの摂取を控えるとともに、寝室は暗く静かにするなど眠りやすい環境を整えることも効果的です。
■ 運動
運動不足によって血行不良になると栄養素や酸素が頭皮に行き渡りにくくなり、育毛にも影響を及ぼす可能性があるため適度な運動を心がけましょう。また、日中の適度な運動は睡眠を促進し、良好な睡眠をもたらします。肥満の解消にもつながりますので、無理のない範囲で運動を取り入れてみましょう。

ヘアサイクルを整えて薄毛対策を

ヘアサイクルが正常であれば、年齢を経ても豊かで健康的な髪の毛でいられる可能性は高いといえます。しかし、脱毛症や生活習慣の乱れによって抜け毛が増えると、最終的に毛根の寿命が尽きて髪の毛が生えなくなります。そうならないためにも生活習慣の改善はもちろん、早いうちにAGA治療専門クリニックで診察を受けることをおすすめします。

AGA治療専門クリニックでは、発毛を促す治療薬などで治療を行うことが可能です。このような専門的な治療により薄毛に悩んでいた方が発毛を実感できるケースも多くあります。AGAヘアクリニックは薄毛治療専門の病院です。相談や診察は無料で行っていますので、ぜひお気軽にお越しください。

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