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【医師コメントつき】AGA治療薬は健康診断に影響する? 申告の必要性や注意点

薄毛治療

健康診断を受ける際、AGA(男性型脱毛症)治療薬の服用を申告する必要はあるのか、できればAGA治療薬を使用していることを誰にも知られたくない、などと悩む人は少なくないでしょう。また、申告しなかった場合にはどのようなリスクがあるのかを知りたい人もいらっしゃるかと思います。

そこで今回のAGAタイムスでは、AGA治療薬による健康診断への影響や申告の必要性、注意点などについて解説していきます。

健康診断でAGA治療薬服用の申告は必須

【健康診断は会社と従業員の労務コンプライアンス】

労働安全衛生法により、会社(事業者)は費用を負担して、医師による定期健康診断を実施することが義務づけられています。これは従業員の健康や身体の安全を管理する責任が会社にあるためで、従業員がたとえ一人であっても健康診断を実施しなければなりません。

そして、従業員側にも健康診断を受ける法律上の義務があります。中には受けたくないという人もいるようですが、自身の身体について正確な情報を得て健康維持に役立てることができるので、必ず受診してその結果を今後に生かすことが大切です。

「人生100年時代」と言われるように超高齢化が進む中、健康に年を重ねることはますます重要課題となっています。会社勤めではない人も自治体などの健康診断を定期的に受け、健康管理に努めましょう。

【健康診断の流れ】

健康診断に際しては、まず最初に問診票を記入します。そこで申告するのは、自覚症状、現在の病名、服用している薬、既往歴、家族の既往歴、アレルギー、生活習慣(喫煙・飲酒・食事・運動習慣、睡眠の状況、ほか)などです。

AGA治療薬についてもここで記入することになります。受診者が書いた内容は、検査を安全に行い診断を的確に行うための情報として役立てられます。つまり、服用している薬の申告は健康状態を正しく診断してもらうために必須であるといえるのです。

もっとも、検査項目によってはAGA治療薬が影響しないものもあります。その詳細について次章で説明します。

フィナステリド・デュタステリドが影響する検査

一般的な定期健康診断の項目は、以下の通りです。

  • 既住歴及び業務歴
  • 自覚症状及び他覚症状の有無
  • 体重、身長※、腹囲※、視力及び聴力
  • 胸部X線検査※及び喀痰検査※
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量及び赤血球数)※
  • 肝機能検査(GOT、GPT、y-GTP)※
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)※
  • 血糖検査※
  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査(※)
  • ※は医師の判断により一部の対象者は診断を省略される場合があります。

このうちAGA治療薬のフィナステリド 、デュタステリドが影響を及ぼす可能性がある項目は、肝機能検査です。肝機能検査では、肝細胞のALT(GPT)とAST(GOT) 、肝臓や胆道の障害で上昇する酵素γ-GTPの値を調べるのが一般的です。いずれも肝細胞が破壊されると血液中に放出されるため、その量によって肝機能障害の有無を推測することができます(ただし心筋梗塞など肝臓や胆嚢の障害以外でも数値に影響を与えることもあります)。フィナステリド 、デュタステリドは、これらの値をごく稀にですが上昇させる可能性があるため、申告が必要です。

なお、医師が「肝機能検査の必要はない」と認めた場合には、35歳未満および36~39歳の人は検査を省略されることがあります。その場合はフィナステリドやデュタステリド服用の申告をする必要はないと思われるかもしれませんが、基本的に内服薬は申請する必要があります。

特に注意が必要なのが、前立腺がん腫瘍マーカーである「PSA」です。前立腺から血液中に流れ出るタンパク質の一種のPSA値を測定するもので、罹患率が増加する50歳以上の人は年に一度の受診が推奨されています。この検査は人間ドックや自治体の前立腺がん検診などで行います。ところが、フィナステリドやデュタステリドを服用していると検査値が50%程度低下してしまい、仮に罹患していたとしても見落とす可能性があるため、非常に危険です。PSA検査を受ける人は、必ず医師にAGA治療薬の服用を伝えなければなりません。

フィナステリドやデュタステリド服用の申告を受けた医師は、PSA値をおよそ2倍程度にした数値で評価することになります。ただ、フィナステリドやデュタステリドの服用によるPSA値の減少度合いには個人差があることもわかっているため、前立腺がんのリスクファクターがある場合には追加でエコー検査を施行することもあります。上述のようにPSA数値の変化率には個人差があるため、経時的変化を確認するため定期的なPSA計測を行うこともあります。フィナステリドやデュタステリドの内服頻度が変更になった、フィナステリドからデュタステリドに変更になった場合は必ず伝えるようにしましょう。

ミノキシジルが影響する検査

次に発毛を促すAGA治療薬である「ミノキシジル」についてですが、ミノキシジルはもともと高血圧治療を目的に開発された薬で、血管拡張作用があります。ミノキシジル内服薬を服用すると約1時間後に血中の薬物濃度が最も高くなり、2〜3時間後に最も降圧効果が得られることがわかっています。その時間帯に健康診断を受けると血圧が低くなりやすいと考えられます。当然のことながら、処方されたミノキシジルの濃度が高いほど影響は出やすくなります。

内服薬は朝か夜に飲むことが多いと思いますが、健康診断を受ける日は朝の服用を避け、その日は休薬を検討してもよいでしょう。休薬してもすぐに降圧効果が消失するわけではなく、72時間は薬効が持続すると考えられており、厳格な血圧計測が必要な場合には処方された医師に相談しましょう。もし夜に服用する場合は、ミノキシジル服用の前後2時間は飲酒を避ける必要があります。いずれにしても自分で判断せず、AGA治療薬を処方した医師の指示を仰ぐようにしましょう。ミノキシジル内服薬は肝臓で代謝される薬剤のため肝機能に悪影響を及ぼす可能性や、降圧剤として腎機能や心機能にも影響を及ぼす可能性もあり、注意が必要です。

以上のことから健康診断を受ける場合に限らず、医療機関を受診する際には必ずミノキシジルを内服していることを伝えましょう。

髪の毛だけでなく身体への影響も考慮しましょう

会社内で従業員の健康診断の結果を見ることができるのは、人事・労務の担当者など、ごく一部の人です。そして彼らには守秘義務があるため、口外される心配はまずないといえるでしょう。大切な健康管理のために定期的な健康診断は必ず受診し、正しく診断してもらえるよう問診票には正直に服用しているAGA治療薬について記入することをおすすめします。

AGA治療薬の服用にあたっては、薬が髪の毛だけでなく身体にどのような影響を与える可能性があるのかも医師から聞き、不明点は質問するなどして、しっかりと理解しておくことが大切です。

AGA治療薬をお求めの際はクリニックへ

AGA治療薬は個人輸入で手に入れることもできますが、この場合、薬に含有される成分の詳細や濃度などが不明確な場合もあるため推奨できません。AGA治療薬は医師が患者個人に合わせて処方するものを服用した人が安心であり、正確な情報を健康診断の問診時に医療機関へ伝えることができます。

AGAヘアクリニックでは多くの治療実績に基づき、患者様一人ひとりに適した治療方法をご提案しています。プライバシーに配慮した個室で診察から会計までを行なっており、カウンセリングと診察は何度でも無料で受けることができます。「健康診断に内服薬の申告は必要か?」など、薄毛の悩みや疑問はぜひ当院でご相談ください。