【医師コメントつき】AGA治療薬 個人輸入の危険性
海外で製造されているAGA治療薬を簡単に入手できる「個人輸入」という方法。手に入る治療薬の中には、有効成分が高濃度であったり安価な薬も存在するため、一見魅力的に感じることもあるでしょう。しかし、個人輸入にはそれ相応のリスクがあることをご存知でしょうか。今回のAGAタイムスでは、AGA治療薬を個人輸入するリスクについてご紹介します。
個人輸入とは
国内において医薬品や医薬部外品、医療機器、化粧品などを商業目的で海外から輸入する際は、厚生労働大臣の許可や承認が必要です。しかし、一般の方が個人的な使用を目的として購入する際には、特例で税関の許可のみで輸入が可能となります。
購入手段は海外の通販サイトやメーカー、小売店などを通す。あるいは個人輸入を扱う代理店を介する方法が一般的です。また、海外で購入した物を持ち帰る行為も個人輸入にあたります。
ただし、あくまでも個人の使用を目的とした場合にのみ許可される輸入方法であるため、転売や譲渡することは原則禁止。その他にも、輸入可能な数量の制限など個人輸入には細かな規定が定められています。
個人輸入は、日本国内で認可されている薬を安価な価格で入手するには非常に便利であり、誰でも試みやすいため安易に個人輸入を行う人が増えているようです。
AGA治療薬の個人輸入
国内のAGA治療専門クリニックで処方されているフィナステリドやプロペシアなどの治療薬も、海外からの個人輸入が可能です。国内では医師の処方箋がなければ入手できない医薬品ですが、個人輸入であれば国内よりも安く、かつ医師の処方箋なしで入手できます。
また、薄毛治療に使用されるミノキシジル外用薬も、個人輸入可能な治療薬の一つです。国内で認可されているミノキシジル外用薬は、高額である上に有効成分含有率が5%以下である一方、個人輸入で手に入る海外のミノキシジル外用薬は安価なだけでなく濃度の種類が多く、15%など高濃度なものも売られています。
ミノキシジルは外用薬の他に内服薬も存在します。しかしこちらはあくまで高血圧向けの治療薬であり、AGA治療薬として認可されていない医薬品であるため国内で処方しているクリニックは限られています。そのせいか、近年ではミノキシジル内服薬も外用薬と同様に個人輸入する人が増えているようです。
個人輸入による様々なリスク
有効成分の含有率が高い医薬品を安く入手できる個人輸入。一見すると大変魅力的に映りますが、実は様々なリスクが伴います。
■健康被害の危険性
国内で販売される医薬品に関しては、「医薬品医療機器等法」という法律に基づき有効性と安全性のチェックが行われます。しかし個人輸入の場合に行われるチェックは、販売国の基準によるもののみ。国によっては定められた基準が低く、配合されている成分が国内では認可されていないケースもあるため、安全面や健康面への悪影響が懸念されます。
さらには、製造国でも認可されていない不正製造の医薬品やマンションの一室など極めて不衛生な環境で製造されている医薬品が出回っているケースも報告されており、そもそも販売国においても有効性や安全性が担保されていない場合もあります。実際にそういった医薬品を使用して健康被害にあったという報告もあるため、専門知識のない方が安易に個人輸入を行うのは大変危険性が高いといえます。
■偽造品の可能性
個人輸入で治療薬を購入する場合、販売サイトによっては正規メーカー品に似せて作られた偽造品が届く可能性もあります。しかし、買い求めた商品がたとえ偽造品であっても、国内でのチェックがないためそのまま個人の元に届いてしまいます。
育毛剤のつもりで購入したのに、中身は単なる風邪薬だった。そんな事態が起きても、専門知識のない方では気付くことができないのです。
■成分や使用上の注意が正しく理解できないことも
個人輸入で購入できる医薬品は海外の製品であり、成分や用法・用量などがすべて外国語で書かれています。そのため、詳しい説明を読まずに服用する方も少なくありません。
また、そこに記載してある内容が理解できても、その製品によって起こりうる副作用が正しく記載されていない可能性もあります。
医師に処方してもらうことのメリット
金額が安いからといってむやみに医薬品の個人輸入を行うと、効果がないばかりか副作用を引き起こしてしまう危険性もあります。安心して治療を行うためには、医師による診察や処方は非常に大切でしょう。
■安全性が保証されている
「偽造品ではない」という前提があることはもちろん、治療薬自体の有効性や安全性が保証された医薬品が処方されます。
■適切な治療薬を処方してもらえる
医師の診察によって、自分の症状に最適な治療薬を処方してもらえます。また、本来必要のない成分が配合されている治療薬を個人輸入してしまうリスクも回避できます。
■適切な用法用量で使用できる
個人輸入で購入した医薬品は添付文書が外国語表記なので、正しい用法用量が分からず誤った方法で服用してしまう危険性があります。
しかし、処方してもらえる医薬品の場合は、診察時に医師が正しい用法用量をきちんと説明してくれるため安全に治療薬を使用できます。
医師の処方する医薬品の入手経路には、2つのパターンがあります。一つは、国内承認薬を日本の医薬品卸業者から購入する方法です。もう一つは、医師が原則国内で承認されていない薬を医師の責任の下、処方するために海外から輸入する方法です。
後者の場合、日本の薬事法が適応されるわけではありませんが、直接製薬会社から購入することも多いため安全面は問題ないでしょう。また健康被害が生じた場合には、病院で補償してもらえることが大半です。安心して治療を続けるためにも、病院で処方された医薬品の使用を推奨いたします。
クリニックでより安全な治療を
医薬品の個人輸入は、「金額が安い」「国内では手に入らない医薬品を購入できる」というメリットがある反面、人体に悪影響を与える可能性など大きな危険性もはらんでいます。安全性や衛生面を考慮するならば、医薬品の個人輸入はおすすめできません。
AGAヘアクリニック(以下、当院)は、AGA・薄毛治療専門のクリニックです。当院ではAGA治療に有効な成分を含有したオリジナル治療薬を取り扱っており、必ず医師が診察を行い、患者様の状態に則して治療薬を処方しています。治療薬投与後の経過観察や様々な不安に対するケア、ご相談などにも対応しているので、安心して治療薬を服用していただけます。
医師による相談や診察は初診・再診ともに無料なので、少しでも薄毛や抜け毛が気になる場合は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。