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【医師コメントつき】髪の毛が細いと薄毛になるのか? その原因と対策
“細くて弱々しい、ボリューム感のない髪の毛” にお悩みではありませんか? 「髪が細いと将来薄毛になる」という噂を耳にすることもあり、不安に感じる方も少なくないでしょう。実際のところ、髪の毛の細さと薄毛には関連性があるのでしょうか。
今回のAGAタイムスでは、髪の毛の細さと薄毛との関連性についてくわしく解説していきます。
細い髪の毛と薄毛との関連性
結論からいうと、「生まれつき髪の毛が細いと将来薄毛になる」という噂については医学的根拠はなく、髪の毛の太さと薄毛のなりやすさに関連性はないといわれています。「髪の毛が細いと薄毛になる」という噂を耳にする背景には、髪の毛が細いがゆえに頭皮全体のボリューム感が少なく見られがちな点が挙げられるでしょう。
しかしながら、“後天的に髪の毛が細くなった場合”においては薄毛との関連性が全くないとは断言できません。後天的に髪の毛が細くなっている場合、何らかの原因により薄毛が進行し、その症状のひとつとしてそのような現象が起こっている可能性があるためです。
では、後天的に髪の毛が細くなる原因にはどのようなものが考えられるのでしょうか。
髪の毛が細くなる理由
後天的に髪の毛が細くなる原因として主に考えられるのは、「AGA(男性型脱毛症)」「老化現象」「栄養不足」「血行不良」の4つです。
それぞれの原因についてみていきましょう。
原因①:AGA(男性型脱毛症)
男性の薄毛の原因として最も多いとされるのがAGA(男性型脱毛症)です。AGAは、男性ホルモンに起因する脱毛症で、前頭部から頭頂部にかけて髪の毛の成長を阻害し、薄毛を招きます。髪の毛が細く柔らかくなる、軟毛化現象がみられることも特徴の一つです。
AGAは進行性の脱毛症であるため、早期に対策を行うことが重要です。とくに前頭部や頭頂部で軟毛化や薄毛の症状がみられる方は、AGAである可能性が疑われます。AGAについてさらに詳しく知りたい方や治療法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
原因②:老化現象
老化現象も、髪の毛が細くなる原因の一つであると考えられます。皮膚の奥深く、頭皮内部にある髪の毛は「毛根」と呼ばれ、毛根の根元部分には球状に膨らんだ「毛球」があります。毛球では、髪の毛の元となる「毛母細胞」が存在し、それが増殖を繰り返すことで髪の毛は生成されます。
髪の毛の元となる毛母細胞を生み出すのは「毛包幹細胞」と呼ばれる幹細胞(※1)です。健やかな髪の毛の生成を維持するためには毛包幹細胞の正常な活動が不可欠ですが、毛包幹細胞は加齢により幹細胞性(自己複製能)の維持がむずかしくなります。幹細胞性を失った毛包幹細胞は、毛母細胞を生み出す代わりに表皮角化細胞へと変化し、最終的にはフケや垢となって皮膚表面から脱落してしまいます。このような現象を繰り返すことにより段々と毛包が縮小(ミニチュア化)し、結果的に髪の毛が細く短くなり、失われていくと考えられているのです。
※1:同じ能力を持つ細胞を複製する「自己複製能」とさまざまな細胞に分化する能力である「多分化能」を持つ特殊な細胞
AGAは年齢問わず男性ホルモンの影響で髪の毛の成長期が極端に短縮されるために起こる脱毛症です。つまり、若くして髪の毛だけが急激に年を取ってしまう症状なのです。一方、加齢による脱毛は、髪の毛が本来の寿命を全うすることで生じる薄毛です。
原因などは異なるものの、どちらも本質的には同じ現象であることが分かるかと思います。したがって、脱毛症の進行を抑えるAGA治療は、老化現象を防ぐためのエイジングケアの一種といえるでしょう。
原因③:栄養不足
私たちが摂取する毎日の食事は、健やかな髪の毛の生成のために大切な栄養源です。バランスの悪い食生活やダイエットのための極度な食事制限などが続けば、身体から栄養は不足していきます。当然のことながら、身体から栄養が不足すれば髪の毛への栄養も不足するため、結果的に太くしっかりとした髪の毛を育めず、全体的にボリューム感がなくなってしまう可能性があります。
過剰なダイエットなどで急激に栄養が行き届かなくなった場合、毛先部分は色が黒々していて健やかな状態であるにもかかわらず、頭皮の近くの髪の毛は色艶が悪く細く弱々しい髪の毛になってしまうという症状がみられることもあるようです。
原因④:血行不良
血液は摂取した栄養を体の隅々まで運ぶ役割を担っています。せっかく栄養を摂取していても、血行不良により血液循環が滞れば頭皮まで必要な栄養が十分に行き届かない可能性もあるでしょう。そうなれば、栄養不足と同じように健やかな髪の毛が生えにくくなってしまうことも考えられます。
血行不良を招く主な要因としては、運動不足や冷え、ストレスなどが考えられます。普段から運動不足の方や冷えを感じる方は、少しでも血流を改善するために日頃の習慣を見直す必要があるでしょう。
健やかな髪の毛を育むための対処法
ここまでは、髪の毛が細くなる主な原因を紹介してきました。では、再び太くしっかりとした健やかな髪の毛を育むためにはどのような対処法を取り入れればよいでしょうか。
次からは、“健やかな髪の毛を育むための対処法”についてご紹介していきます。対処法としてはもちろん、“健やかな髪の毛を維持するための対策”としても活用できるので、少しでも髪の毛を健やかに保ちたい方はぜひ生活に取り入れてみてください。
〇食事の改善
先述の通り、太くしっかりとした健康的な髪の毛を生成するためには、必要な栄養を十分に補給することが大切です。まず、摂取したいのは「タンパク質」。髪の毛の主成分はタンパク質であることから、積極的に毎日の食事に取り入れると効果的です。
タンパク質を多く含む食品には、納豆などの豆類や鳥ささみなどの肉類、卵などが挙げられます。特定の食品ばかりを摂取するようなことは体のためにも良くないので、出来るだけさまざまな食品からタンパク質を摂取するよう心がけましょう。
また、タンパク質は取り込めばそのまま吸収されるというものではなく、体内で一度アミノ酸に分解されてから吸収され、再びタンパク質へと再構成されます。この過程を手助けするのがビタミン類であるため、タンパク質を体内で代謝させるためには「ビタミン類」の摂取が必要です。
ビタミン類は、野菜や果物などに多く含まれています。タンパク質と併せての摂取がおすすめです。
〇頭皮環境の改善
太い髪の毛を生成するためには、頭皮環境が整っていることも大切です。まずひとつに、頭皮の血行を促進するために「頭皮マッサージ」が有用であるといえるでしょう。他にも、「シャンプーの見直し」をすることで頭皮環境の改善が期待できます。
- ■頭皮マッサージ
- 頭皮マッサージを行うことで、即時的な血行促進作用が期待できます。特に、圧迫法などのマッサージは、頭皮の血行促進に高い効果が報告されています。圧迫法のマッサージでは、頭皮を掴むようにして指先に力を入れ、押すように頭皮をほぐします。お風呂上がりや就寝前など、自分が取り入れやすいタイミングで実践してみるとよいでしょう。
- ■シャンプーの見直し
- また、気をつけたいのがシャンプーに関してです。頭皮のベタつきが気になるからと、過剰にシャンプーを行うと頭皮を守るために必要な皮脂まで洗い流してしまう恐れがあります。頭皮の皮脂バランスが乱れてしまうと不必要な頭皮トラブルを招く可能性があるため、日に何度もシャンプーしたり、洗浄力の高すぎるシャンプーでの洗髪は出来るだけ控えましょう。
- 1日に一度のシャンプーではどうしても頭皮のベタつきが気になるという方は、「湯シャン」を取り入れてみてもよいでしょう。湯シャンとは、シャンプーなどを使わず、お湯のみで洗髪することを指します。1日に何度もシャンプーする習慣のある方は、そのうちの1回を湯シャンに置き換えてもいいかもしれません。
- 湯シャンには、個人の頭皮や髪の毛の状態によって合う合わないがあります。また、正しいやり方や注意点なども把握しておくことをおすすめいたします。以下の記事も合わせてご参照ください。
薄毛が進行する前に対策を
先天的にもつ髪質と薄毛のなりやすさには、明確な因果関係はないといわれています。そのため「生まれつき髪の毛が細いから将来ハゲるかも……」と、心配する必要はあまりないでしょう。しかし後天的に髪の毛が細くなったり、柔らかくなったと感じたりする場合は、何らかの原因が背景に存在します。
薄毛の原因がAGAの場合は、早い段階で治療を行うことで効果が出やすいといわれています。すでに薄毛の症状が目立ってきている、抜け毛が多いように感じるなど、少しでも不安に思う点のある方はぜひ一度AGA治療専門のAGAヘアクリニックへご相談ください。