【医師コメントつき】ヘアワックスでハゲる? 薄毛との関係性や正しい使用法を解説
年齢やライフステージに限らず、多くの老若男女にとって身だしなみを整えることは大事なマナーと呼べるでしょう。毎日ヘアワックスを使用している方も多くいらっしゃるかと思います。しかし「ヘアワックスを使うとハゲる」という噂を耳にしたことはありませんか? “ただの噂”と片づけたいところですが、実はヘアワックスの使用法によっては薄毛を誘発する可能性もゼロではないようです。
今回のAGAタイムスでは、ヘアワックスが薄毛につながるといわれている理由やヘアワックスの種類、正しい使い方、適切な落とし方などについてご紹介していきます。
ヘアワックスと薄毛の関係性
多くの方がヘアワックスを使っており、その中には薄毛の悩みにはまったく無縁の方もたくさんいらっしゃいます。ヘアワックスそのものが薄毛を招くのではなく、その使用方法や落とし方に問題がある場合に、頭皮環境の悪化から薄毛を招く可能性があると考えられます。
ここでは、ヘアワックスの不適切な使い方が薄毛を招く原因やそのメカニズムについて説明します。
【薄毛を招く要因として考えられること】
- ■ヘアワックスが頭皮に付着して頭皮環境が悪化
- 製品の種類にもよりますが、ヘアワックスは基本的に粘性が高く油分が多いため、地肌に付着すると毛穴をふさいだり、汚れの洗い残りを招きやすくなることがあります。頭皮に付着したヘアワックスを放置すると、正常な新陳代謝(ターンオーバー)や皮脂分泌を阻害し、頭皮に住みつく常在微生物(常在菌)が異常繁殖してしまうおそれがあります。
- また、ヘアワックスが頭皮に刺激を与えて炎症を引き起こす可能性もあるため、ヘアワックスが頭皮に付着しないよう注意する必要があります。
- ■ヘアワックスを落とすために頭皮を洗浄しすぎている
- 頭皮から分泌される皮脂は、過剰に分泌されると髪の毛のベタつきや頭皮のかゆみ、常在菌の異常繁殖などを引き起こす原因になりえます。一方で皮脂は毛髪や頭皮を保護して外的刺激から守るバリアとしての役割も持っています。したがって、洗髪しすぎていたり洗浄力の強すぎるシャンプーを使用してしまうと、必要な皮脂まで取りすぎてしまい、頭皮の乾燥をまねき皮脂の過剰分泌につながるおそれもあります。
ヘアワックスの洗い残しは頭皮環境の悪化につながるため、洗髪を念入りに行うことは大切ですが、ご自身にあった適切なシャンプー選びや適度な回数を心得ておきましょう。
ヘアワックスの種類と正しい使い方
ヘアワックスが薄毛を誘発する原因を防ぐためには、ヘアワックスの種類やその特徴を正しく理解し、適切な使い方を心掛けるとよいでしょう。
ヘアワックスを使用する際は、「毛先に軽くつけること」と「毎日きちんと洗い落とすこと」が基本です。またヘアワックスには質感の種類に合わせて、それぞれの特徴に適した使用方法があります。
主なヘアワックスの種類と使用方法は以下の通りです。
- ●クリームタイプ
- 固すぎず柔らかすぎず、程よい質感でどんな髪質にも使いやすいヘアワックスです。時間が経過すると汗などでヘアワックスが頭皮に落ちてくることがあるため、根本付近は避けて使用した方がよいでしょう。
- ●スプレータイプ
- ヘアワックスが霧状で出てくるため短髪の方は頭皮に付着しやすく、噴射の角度や距離に気を付ける必要があります。頭皮から20~30cm程離し、ボトルを横に傾けて噴射先が頭皮ではなく毛先に向くように意識すると、地肌につきにくくなります。
- ●ミルクタイプ
- 基本的にはクリームタイプと同様に扱いやすいヘアワックスですが、より質感が柔らかく、汗が時間の経過につれて頭皮に垂れやすいので、クリームタイプ以上に根本付近を避けて使用するとよいでしょう。
- ●ジェルタイプ
- みずみずしい質感ですがセット力がかなり高く、スーツスタイルなどパリッと固まったヘアスタイルに用いられるヘアワックスです。固まる力が強い分、頭皮に付着すると残りやすいことが考えられるため、やはり根元部分からなるべく長さをおいて使用したほうがよいでしょう。
頭皮にヘアワックスが付着すると、赤みやかゆみが出てしまう。フケが新たに発生もしくは増悪した。あるいはすでに抜け毛や薄毛の症状が出ている方は、一旦ヘアワックスの使用を中止して、症状が改善するまで経過観察をお勧めします。1~2カ月経過しても症状が改善しないようであればお近くの皮膚科に相談しましょう。症状が改善した後も同じヘアワックスは使用せず、できるかぎり刺激性の低いヘアワックスへ変更したほうがよいでしょう。
シアバターや天然オイル、蜜蝋などナチュラルな素材のみを使用したヘアワックスであれば、唇や爪の保湿剤としても使用されている成分ですので頭皮トラブルのリスクを軽減できる可能性はあります。ただし天然素材であってもアレルギー反応を呈することもあるので使用の際は注意が必要です。とりわけ敏感肌やアレルギー体質の方は、ヘアワックスを使用する前に腕に少量のヘアワックスを塗布するパッチテストを試してみましょう。1時間程度おいてみて、赤みやかゆみが生じないかを確認してから使用することをお勧めします。
頭皮への付着に注意して使用するだけでも、ヘアワックスによる頭皮環境悪化のリスクは軽減できます。使用するヘアワックスの成分を低刺激性にこだわってみるのも一つの手でしょう。
適切なヘアワックスの落とし方
ヘアワックスの洗い残りは頭皮トラブルの原因になりやすいため、しっかり汚れを洗浄して頭皮の清潔を保つ必要があります。ただし、先述したように過度な洗髪や洗浄力の強すぎるシャンプーの使用は頭皮の乾燥や、乾燥による皮脂の過剰分泌を招くおそれがあるため、洗いすぎず、皮脂を落としすぎないための適切な洗髪方法をご紹介します。
【適度な洗髪】
頭皮環境の悪化を防ぐためには、その日の汚れはその日のうちに落とすのが鉄則。とくにヘアワックスを使ったは日は必ず洗髪をするよう心がけましょう。
頭皮を労わるためにも、基本的には1回のシャンプーで汚れを落とし切るのが理想的です。お湯で予洗いをしてからシャンプー液を手に取り、泡が頭全体に行き渡るよう指の腹で揉みこむようにしっかり洗います。汚れを落とそうとするあまり、爪を立てたり、ごしごしこすりすぎると頭皮に負担をかけてしまうので注意してください。
また洗髪してもなかなか泡立たず、ヘアワックスが残っているようなべたつきを感じるなど、しっかり落としきれていない感覚がある方は、まず髪の毛だけを洗い流し、その後に地肌を洗うようにしましょう。地肌を1度、髪の毛を2度洗うようなイメージで2回洗髪してみましょう。
【頭皮に合ったシャンプーの使用】
洗髪方法に気を付けてみたものの、シャンプー後の頭皮が乾燥して突っ張っているような感覚がある場合は、シャンプーの洗浄力が強すぎるおそれがあります。とはいえ洗浄力が穏やかすぎるとヘアワックスの汚れ残しも発生しやすくなるため、適度に汚れが落とせる低刺激のシャンプーを選ぶとよいでしょう。
肌質とシャンプーとの相性は人それぞれ異なるので一概には言い切れませんが、「ココイルメチルアラニンNa」「ラウロイルメチルアラニンNa」などのアミノ酸系の洗浄成分(界面活性剤)が配合された「アミノ酸系シャンプー」は、比較的頭皮の負担になりにくいといわれています。
正しいヘアスタイリングで薄毛リスクを回避!
薄毛を招くようなリスクをできる限り避けたいのであれば、もちろんヘアワックスなどの整髪料を使用しないのが賢明な方法でしょう。しかしヘアワックスなどの整髪料は、身だしなみを整えるために欠かせないアイテムとなりつつあるため、一切使用しないというのはむずかしいと考えられます。
まずは適切なヘアワックスの使い方を意識しつつ、使用量を抑えたり使用頻度を減らすなどして、ご自身の髪の毛とヘアワックスの上手な付き合い方を見つけてみてはいかがでしょうか。ヘアワックスの使い方を工夫し、薄毛につながる可能性をなるべく未然に防いでいきましょう。
薄毛のお悩みはAGAヘアクリニックへ
ヘアワックスによる影響で頭皮環境が悪化し、徐々に抜け毛が増えていた場合などは今回ご紹介したような方法を取り入れれば、いくらか状況は改善されるかもしれません。しかし突然に大量の抜け毛が発生したり、頭皮に異常なかゆみや炎症が認められる場合はヘアワックス以外の原因を疑う必要があります。
抜け毛や薄毛の症状を改善させるためには、原因を探りそれに適した治療を施すことが最善と考えられます。頭皮や髪の毛に関してすこしでも気になる点がある方は、なるべく早いうちに薄毛治療専門クリニックなどで診察を受けることをおすすめします。AGAヘアクリニックでは診察やカウンセリングが何度でも無料で受けられます。抜け毛の相談や診察だけでも来院していただけますので、ぜひ一度ご相談にいらしてください。