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医師が教える薄毛やAGAの治療・対策メディア

【医師が教える】薄毛予防に効果はある? 栄養素タウリンのパワー

サプリ・栄養

主に魚介類に多く含まれており、疲労回復の作用を期待され栄養ドリンクなどにも配合される「タウリン」。タウリンは人の体内で合成ができ、他の生体内にも多く存在している成分の一種です。そのタウリンには、薄毛予防に効果が期待できるという説があるのをご存じでしょうか。そこで今回のAGAタイムスではタウリンと薄毛予防の真相について解説していきます。

タウリンが持つパワー

【タウリンの概要】

タウリンはメチオニンやシステインなど、硫黄原子を持つ「含硫アミノ酸」の代謝産物です。よくタウリンは含硫アミノ酸に分類されることがありますが、アミノ酸に必須のカルボキシル基を持たないため、正確には狭義でも広義でもアミノ酸ではありません。ただし栄養学上では便宜上、含硫アミノ酸と呼ばれる場合があります。

人体の心臓や筋肉、目の網膜、肝臓、腎臓、脳などさまざまな部位にタウリンは存在しており、体内の全タウリン量のおよそ60~70%以上は筋肉に存在するといわれています。そのためタウリンが不足すると様々な疾患を招くリスクが高まります。

【タウリンの役割】

タウリンの効能は多岐に渡ります。主な役割は胆汁酸と結びつくことでコレステロールを消費して減らす、心臓や肝臓の機能を高める、視力の回復、インスリン分泌促進、高血圧の予防などです。さらに、脳においてタウリンは抑制性の神経伝達物質として作用し興奮やストレスを抑制するほか、加齢による組織の機能低下を抑えたり、寿命を延長する効果がマウス研究によって報告されています。

タウリンと薄毛予防の関係性

人間の体に様々な良い影響を与えてくれるタウリンですが、薄毛予防にもひと役買ってくれる可能性があります。

〇コレステロール値を下げて育毛に適した健康体に

コレステロール値が高いと体内の中性脂肪が増えるため、動脈硬化や脳梗塞など重大な疾患を招きやすくなります。また血中脂肪によって血液がドロドロした状態になり、血行不良や冷えなどの不調を招いたり体内の循環が滞る恐れも。その結果、髪の毛の成長に必要な栄養や酸素が頭部の毛細血管にまで届きにくくなることも考えられます。

血行不良など体内循環の悪化が抜け毛の直接的な原因になることはありませんが、正常な育毛が妨げられる可能性はあるといえるでしょう。そのため、コレステロール値を下げる効果を持つタウリンを摂取することで血行促進に繋がり、結果的に育毛促進が期待できるという考え方もできます。何事も基本となるのは健康的な体です。抜け毛予防や薄毛改善を目指すのであれば健康的な体づくりを意識することも大切なので、タウリンの摂取は薄毛予防に役立つと考えられるでしょう。

〇タウリンには毛髪の補修効果も

ヘアカラー剤で有名なホーユー株式会社と東京工業大学大学院理工学研究科の共同研究により「タウリンには弱った毛髪のタンパク質を引き締めてより健康な状態に戻す働きがある」という研究結果が報告されています。

髪の毛は、キューティクルと呼ばれるケラチンタンパク、そして髪の毛の大部分を占めるコルテックス、髪の毛の中心に位置する組織メデュラの3層で構成されています。

このうちコルテックスは髪の毛のしなやかさや強さに影響するとされており、コルテックス内の結合が緩んでいると髪の毛の強度が弱まりダメージを受けやすくなったり、水分を保持できずパサつきがちになったりします。しかし、ホーユー株式会社と東京工業大学の研究によって、このような髪の毛をタウリンが含まれた溶液の中に入れると毛髪タンパク質間の結合が強まり、毛髪内部の状態や水分保持機能が正常になって髪の毛本来のうるおいやまとまり、弾力が生まれるという研究結果が発表されました。

髪の毛の傷みが直接的に薄毛の原因になることはありません。しかし髪の毛が弱り細くなってしまい枝毛や切れ毛が頻繁に起こるようになると、全体的に髪の毛のボリューム感がダウンしてしまい、髪の毛が薄くなったように見えやすくなる可能性もあります。したがって、毛髪の補修効果があるタウリンは薄毛に見えてしまうリスクを避けるために役立ってくれると考えられるでしょう。

タウリンはこれらのような薄毛予防効果だけでなく、体内においてさまざまな役割を担う栄養素です。そのため、摂取量が不足すると体の至るところに問題が生じる可能性があります。ところが残念なことに、人間の体内で生成できるタウリンの量はごくわずか。そのため食材で補うことが推奨されています。

タウリンが多く含まれる主な食材

タウリンは野菜や果物など植物由来食材を除き、ほとんどすべての食材に含まれていますが、とくに魚介類に多く含まれています。したがって、日ごろから下記のような食材を積極的に食していれば十分にタウリンを摂取できるでしょう。

  • 牡蠣:1,130mg
  • ホタテ:769mg
  • あさり:664mg
  • タコ:520mg
  • タラ:300~450mg
  • イカ:350mg
  • ひらめ:171mg
  • 車エビ:150mg
  • カツオ:80mg
  • メバル:30mg
  • イワシ:20mg
  • (100gあたりの含有量:単位mg)

タウリンは水溶性のため水に溶けやすく、熱に弱い性質を持っています。お吸い物や煮魚などの料理の際には、煮汁を一緒に食すことがタウリン摂取には大切です。

タウリンを含む健康飲料などの過剰摂取に注意

余分に摂取されたタウリンは比較的早く尿中に排出されることから、日ごろの食生活における摂取量に関してはあまり問題視されることはありません。しかし、栄養ドリンクなどから積極的にタウリンを摂取するのは少々危険があります。

主な栄養ドリンクはタウリンを含んでいることが多いため、手軽にタウリンを摂取出来る手段であることに違いはありませんが、このような健康飲料にはタウリン以外に糖質など過剰摂取が問題となる成分も多く含まれています。したがって、目的の栄養素を摂取するために栄養ドリンクなどを過剰に活用するのは控えたほうがよいでしょう。もちろん、タウリンだけにいえることではありません。健やかな体づくりに必要な栄養素は、常日頃から栄養バランスを意識した食生活から摂取できるように心がけてください。

正しく栄養を摂取し薄毛予防に適した体づくりを

タウリンはさまざまな作用を持ち、人体には欠かせない栄養素のひとつです。適切な量に気を配りながら正しく摂取していくことで、薄毛予防に必要不可欠である健康的な体づくりを促せる可能性があります。まずは栄養素から体の健康を見直して、健やかな髪の毛を育む環境を少しずつ整えていきましょう。

育毛に適した体づくりは薄毛予防の第一歩といえますが、男性ホルモンが関わるAGA(男性型脱毛症)などによる薄毛の場合は、治療薬で改善が可能です。抜け毛や薄毛が気になる方は、健康体を保ちつつ、まずはAGA治療専門の病院やクリニックで診察を受けてみるとよいでしょう。

薄毛治療を専門とするAGAヘアクリニックでは、薄毛に関する診察や相談を無料で行なっております。また遠方から通うことが困難な方のためにテレビ電話を使用したオンライン診療も可能です。抜け毛や薄毛が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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