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【医師コメントつき】亜鉛入りのサプリメントが髪の毛に良い理由

サプリ・栄養

薄毛や抜け毛でお悩みの方は、摂取する栄養素にも気をつかっていることが多いのではないでしょうか。そのため「亜鉛」が育毛に効果的だという話を一度は耳にしたことがあるかもしれません。今回のAGAタイムスでは、亜鉛が育毛にもたらす効果とその理由について解説します。亜鉛と一緒に摂取することで相乗効果が期待できる栄養素や反対に亜鉛の吸収を妨げる栄養素などがあるため、正しい知識を得て亜鉛サプリを有効活用しましょう。

亜鉛は髪の毛の生成をサポートしている

はじめに、亜鉛が育毛や発毛に対してどのような働きを持つのかをご説明します。

1. ケラチンタンパク質の合成をサポート
髪の毛のほとんどは「ケラチン」と呼ばれる、18種類のアミノ酸が結合してできたタンパク質で構成されています。亜鉛はケラチンの結合をサポートする働きがありタンパク合成全般に必要不可欠とされているため、亜鉛が不足するとケラチンの産生に悪影響を及ぼし育毛を妨げることがあります。

2. 5αリダクターゼの分泌を抑制
主に成人男性に見られる薄毛の多くがAGA(男性型脱毛症)です。AGAの原因は、頭皮の毛乳頭に存在する「5αリダクターゼ(5α-還元酵素)」と、男性ホルモンの一種である「テストステロン」が結びつくことで産生される「ジヒドロテストステロン(DHT)」の影響によることがわかっています。DHTが男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)と結合することで脱毛因子を生成し、脱毛因子によってヘアサイクルが短くなります。結果、髪の毛が成長する前に抜けてしまい薄毛につながります。
亜鉛には、DHTを産生する要素のひとつである5αリダクターゼを抑制する働きがあると考えられています。

出典: AGAヘアクリニック

これらの働きから、亜鉛は育毛に効果があるといわれています。

亜鉛を豊富に含む食材としてはレバーや牡蠣、しじみなどが挙げられますが、これらの食材を定期的に摂取することが難しいときもあるでしょう。そんな場合は亜鉛サプリメントを活用する方法がおすすめです。

亜鉛の吸収を促進するもの

育毛に重要な亜鉛ですが、実は吸収率がそれほど高くないという弱点があります。そのため単体で摂取するよりも、亜鉛の吸収をサポートしてくれる「クエン酸」「ビタミンC」などの栄養素と一緒に摂取した方がよいといわれています。

クエン酸には、亜鉛や鉄などのミネラルを包み込んで吸収を促す作用があります。またビタミンCにはクエン酸の作用を向上させる効果があるといわれているため、これらの栄養素を一緒に摂取することで相乗効果が期待できるのです。

クエン酸とビタミンCを同時に摂取できる食材には、レモンやオレンジなど柑橘系の果物が挙げられます。またこれらの栄養素に関しても効率的に摂取できるサプリメントが販売されているので活用してもよいでしょう。

亜鉛の吸収を妨げるもの

亜鉛の吸収をサポートする栄養素がある一方で、亜鉛と相性が悪い成分も存在します。亜鉛を摂取する際は意識してみるとよいでしょう。

1. カルシウム
適度な量であれば問題ありませんが、過剰に摂取すると亜鉛の吸収を阻害する恐れがあります。
2. 食物繊維
食物繊維は、亜鉛などのミネラルと結合する性質があります。そのため同時に摂取するとミネラルが体に吸収されず、体外に排出されてしまうといわれています。特に、穀物や海藻類は亜鉛の吸収を妨げる恐れがあるため注意しましょう。
3. 食品添加物
ポリリン酸・フィチン酸をはじめとする食品添加物も、亜鉛の働きを阻害すると考えられています。食品添加物はインスタント食品やコンビニ食品に含まれることが多いので、そういった食事を好む方は、意識せず摂取している場合もあります。食事をコンビニ弁当で済ませることが多い方は、自炊に切り替えるなど、食生活の改善をおすすめします。
4. アルコールの過剰摂取
少量のアルコールなら影響は少ないものの、過剰な飲酒は血中に含まれるタンパク質(アルブミン)の低下を招く恐れがあります。血中のアルブミンが減少すると、同じく血中にある亜鉛を保持できなくなり亜鉛不足に陥ることが考えられます。

亜鉛不足で考えられる病態

亜鉛が欠乏するとタンパク合成が低下するため、タンパク合成が盛んな細胞や臓器の機能が障害されやすいと考えられています。また、それらの障害は特に亜鉛が高濃度に存在する細胞や臓器で起こりやすいとされています。

亜鉛欠乏に陥ると、以下のような症状を発症しやすくなるとされています。

  • 皮膚炎
  • 脱毛
  • 貧血
  • 味覚障害
  • 発育障害
  • 性腺機能不全
  • 食色低下
  • 下痢
  • 骨粗鬆症
  • 創傷治癒遅延
  • 易感染性 など

亜鉛不足になりやすい主な要因

亜鉛不足になりやすい主な要因には食事からの摂取不足だけでなく、疾患や食物繊維の過剰摂取による吸収不全や妊娠などによる需要増大、疾患や薬剤による排泄増加などがあります。

キレート作用(※1)のある薬剤を長期服用している場合やスポーツによる汗や尿からの亜鉛排泄の増加なども亜鉛欠乏をきたしやすくなるという報告があります。

※1: 金属を結合させる作用

亜鉛の過剰摂取は危険

亜鉛が欠乏すると抜け毛だけでなく様々な症状があらわれる恐れがあります。しかし、亜鉛は過剰摂取による健康被害の報告もあるため注意が必要です。他の多くの栄養素と同様に1日あたりの適切な摂取量が示されているので、これを目安に摂取するとよいでしょう。

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準2015年版」で推奨されている1日の亜鉛摂取量は、成人男性が約10mg成人女性が約8mg(妊婦はプラス2mg、授乳婦はプラス3mg)です。また過剰摂取によって健康を害する可能性があるため1日あたりの耐用上限量を成人男性は約45mg成人女性は約35mgと定めています。

推奨摂取量 耐用上限量
成人男性 10mg 45mg
成人女性 8mg
(妊婦はプラス2mg/授乳婦はプラス3mg)
35mg

亜鉛自体に毒性はほとんどないと考えられていますが、亜鉛の過剰摂取によって銅や鉄の吸収が妨げられ、銅欠乏や鉄欠乏が起こる可能性があります。その結果、貧血や汎血球減少、神経障害、胃の不快感などの症状があらわれる恐れがあります。

亜鉛を食事から摂取しているのであれば上限を超えることはあまり考えられませんが、亜鉛サプリメントを服用している場合は過剰摂取にならないよう心がけた方がよいでしょう。亜鉛サプリメントに定められている用法用量を守り、正しく用いることが健全な育毛につながります。

特に医療機関で処方される亜鉛製剤は含有量が多いため神経障害や貧血を認めた場合には医師に相談しましょう。

当院でも亜鉛入りサプリメントを扱っています

AGAヘアクリニック(以下、当院)では各種薄毛治療薬だけでなく、亜鉛入りサプリメントのお取り扱いもございます。サプリメントのみの購入はできませんが、当院で薄毛治療をお受けいただいている患者様ならどなたでもご購入いただけます。育毛促進に効果が期待できる亜鉛L-リジンビオチンビタミンB群などの栄養素を含み、髪の毛だけでなくお肌のコンディション改善にも役立ちます。

亜鉛欠乏者は世界に13億人も存在し、世界人口の17%にものぼるという報告もあります。亜鉛不足で薄毛が生じることをご存じで、積極的に摂取されている患者様が多くいらっしゃいます。しかし上述のように亜鉛を過剰に摂取してしまうと健康被害が生じることもあるため、必要十分量を考慮した亜鉛摂取が重要です。

亜鉛不足だけで薄毛が進行している患者様は少ないので、まずは適切な診断を受けることをおすすめします。自分で対策することも大切ですがまずは薄毛治療専門のAGAヘアクリニックにお越しください。

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