【医師が教える】プロポリスが抜け毛予防に? 育毛サポートの効果や効率的な摂取方法を解説
プロポリスはミツバチが唾液などの分泌物を樹脂に混ぜて作る物質で、別名「蜂ヤニ」「天然の抗生剤」などとも呼ばれ、鎮静剤や化粧品にも利用されています。プロポリスの歴史は古く、古代エジプトやギリシャ、ローマでは皮膚疾患や感染症の予防などにも用いられていたそうです。
現在でも花粉症や糖尿病、ガンや口内炎などの治療に用いられるケースがありますが、薄毛や抜け毛対策にも効果を発揮するといわれています。そこで今回のAGAタイムスでは、“万能”といわれるプロポリスによる抜け毛予防、発毛や育毛への効果について解説します。
プロポリスに含まれる栄養素
ミツバチはプロポリスを巣の壁や内側などあらゆる部分に塗ることで、外部から侵入する病原体や腐敗などから巣を守っています。巣を守るのに活用するくらいなら、かなりの量が取れるのでは? とも思えますが、1つの巣箱から採取できるのは年間150g~200gほどとかなり少量であるため、大変貴重な成分だといわれています。
そんなプロポリスには、抗菌作用や活性酸素の除去に役立つといわれる「桂皮酸誘導体」や「フラボノイド」をはじめ、ビタミン類やミネラル類など多くの成分が含まれています。フラボノイドはポリフェノールの一種であり、とても高い抗酸化作用を持っているとされ、毛細血管を強化し血圧や血糖値を正常に保つとされています。
そのため生活習慣病予防の観点からも期待が持たれているほか、前述のようにビタミン類やミネラル類など健やかな体の維持に不可欠な栄養素も豊富に含まれているため、適度な摂取が健康維持に役立つと考えられています。
プロポリスの髪の毛への影響
活性酸素が体内に増えると皮膚や細胞の老化などが起こり、いわゆる“体が錆びついた状態”になります。発毛や髪の毛の成長に関係する毛母細胞も細胞の一種であるため、活性酸素の影響が現れる可能性がないとは言い切れません。そうなってしまうと、毛母細胞は健康な髪の毛を作りにくくなり、正常な発毛や育毛の妨げ、抜け毛の増加につながる可能性も考えられます。
プロポリスの主成分である桂皮酸誘導体やフラボノイドにはこうした体の酸化を防ぐ効果があるため、健やかな発毛や育毛、抜け毛の予防などにも役立つことが期待できます。また活性酸素はストレスによって発生しやすくなるといわれており、仕事や人間関係、寝不足や食生活の乱れなどからも影響を受けるため、薄毛や抜け毛が気になる方はご自身のストレス状態を見直してみるとよいでしょう。
ほかにも、フラボノイドには血管を強化することで動脈硬化を防ぐ働きがあることが報告されています。動脈の弾力が失われると血栓が生じて血流が滞りやすくなるため、髪の毛の成長に関わるさまざまな部分へ必要な栄養素を届けにくくなり、発毛や育毛を妨げる恐れも。このようにプロポリスから得られるさまざまな効果は体の健康維持だけでなく、発毛・育毛環境にも良い影響が期待できるといえます。
プロポリスが持つそのほかの効果
抗酸化作用のサポートのほかにも、プロポリスはさまざまな効果を体にもたらします。健康面において期待できる主な効果は、以下の通りです。
- 糖尿病の予防
- 脂肪の蓄積を抑制
- 神経修復、認知症抑制
- アレルギーによるかゆみの改善
- 花粉症の症状軽減、発症の遅延
- 風邪の治りを早める、風邪による体のだるさの軽減
- 大腸がんの予防
など
このように、プロポリスはあらゆる局面で健やかな体を維持するための手助けをする成分です。もちろんプロポリスだけの力で既に起こっている症状や病気を改善することはむずかしいと思われますが、体が健康であるうちに意識して摂取することで、さまざまな病気を未然に防げる可能性があるといえるでしょう。
プロポリスには多くの成分が含まれていますが、その含有成分は産地によっても大きく異なります。それだけでなく抽出方法によっても成分組成は異なり、当然ですが成分組成が違えば生理作用もまた異なります。
日本ではブラジル産のプロポリスをアルコール抽出したものが多く消費されていますが、これは以前にブラジル産プロポリスから抗腫瘍活性物質が単離され、注目されたためです。このブラジル産プロポリスと、主にヨーロッパや中国で採取されるプロポリスとでは含有成分がまったく異なります。ブラジル産プロポリスの主成分は桂皮酸誘導体やテルペノイド化合物であるのに対し、ヨーロッパ産プロポリスに多く含まれる成分はフラボノイドや有機酸エステル類です。ミツバチがプロポリスの原料として集めてくる植物(起源植物)が異なることで、このような違いが生じます。
したがって、同じ「プロポリス」という名前で公表される実験結果が、すべてのプロポリスに当てはまるわけではありません。プロポリスを健やかな生活のために活用したいのであれば、産地はもちろん成分やその効果などの情報も考慮することが望ましいでしょう。
プロポリスの摂取方法
〇経口摂取(サプリメント)
プロポリスを摂取する方法として、比較的手軽な方法が市販のサプリメントによる摂取です。プロポリスのサプリメント自体は発毛・育毛環境をケアする用途ではなく、基本的にはあくまで健康サポートを目的としています。
サプリメントは薬ではなく健康補助食品です。そのため、決められた摂取量を守っている限り副作用は起きにくいと考えられています。市販のサプリメントのような錠剤で摂取するほかには、粉末状に加工されたプロポリスを水などに溶かして飲むタイプ、あるいは直接飲める液状のタイプもあります。
〇そのほかの方法
サプリメント以外の商品としてプロポリス入りシャンプーなどもありますが、シャンプーで洗ったからといってサプリメントと同様の効果が得られるとは考えづらいでしょう。プロポリスが持つ抗菌・抗炎症作用で手軽にフケ・かゆみを予防し、頭皮を健やかに保てるヘアケアアイテムとして日常に取り入れてみるのはよいかもしれません。
すでに薄毛にお悩みの方はクリニックに相談
プロポリスは古くから健康食として親しまれてきた歴史もあり、試してみる価値は十分にあるといえます。ただし、プロポリスは治療薬ではないため過信しすぎないことが重要です。発毛を促し、抜け毛や薄毛の根本的な解決を目指したいのであれば、プロポリスだけに頼るのではなく薄毛治療の専門病院で医師に相談することをおすすめします。
AGAヘアクリニックは、AGAやFAGAなどの薄毛治療を専門とする病院です。豊富な薄毛の知識と多くの症例をもとに薄毛の原因を導き出し、患者様お一人おひとりの症状に合った最善の治療を提案しています。全室個室の診察室を完備しており完全予約制なので、ほかの患者様と顔を合わせることはほとんどありません。一般的な皮膚科よりもプライバシーに配慮された院内であるため、薄毛治療が初めての方でも治療が始めやすい環境です。診察や相談は初診に限らず何度でも無料で行なっておりますので、薄毛が少しでも気になる方はぜひお気軽にご相談にいらしてください。
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